双星の陰陽師 考察 “化野家”です。
双星の陰陽師、ヒロインの化野紅緒。

助野嘉昭「双星の陰陽師 #14私の牙」『ジャンプSQ』2015年1月号
彼女の生家、化野家について少し考察したいと思います。
*16話現在です。念のため…。
化野家について…。
まず化野家という陰陽家系は実際には存在しません。
化野というのは、京都の嵯峨野にある地名で、昔から遺体を葬る場所として使われて来た場所です。
風葬の地として古くから使われ、それらの野ざらしになっていた遺体を空海が埋葬したのが始まりと言われる化野念仏寺で有名ですね。
化野とは”徒野”とも書き、「無常の地」の意味で人の世のはかなさを象徴するものとされた様です。
和歌の歌枕としても知られています。
さて、前置きはこの辺にして…。
ここまでの作中での描写及び紅緒の発言から化野家が陰陽師の大家であることは確かな様です。
婆やもいるし…。
周りのモブキャラの反応からしてもどうやら相当の名門…というか名家のようですし、”本土・化野家”というくらいですから、分家がある(?)程の大きな家なのでしょうね。

助野嘉昭「双星の陰陽師 #2双星交差」『ジャンプSQ』2014年1月号
紅緒のことを様付けで呼んでいますしね。
まあ、今となってはとてもではないけれど言えないであろう紅緒の”西の最強”…というより安倍晴明をも凌ぐ”神子”説を唯々諾々と聞き入れていた連中ですから何とも言えませんがね…。
すくなくとも実力は十二天将には大きく水をあけられているわけだし…。
そして我が国にては、陰陽道の家系として隆盛を誇ったのは安倍氏のみ、その直流がのちの土御門家ですね。
晴明ののち14代目の有世が土御門家の基礎を築いたのだとか…。
ちなみに晴明の嫡流の土御門家は少なくとも明治維新まで断絶することなくあり続けたようです。
というわけで、変態パンツこと土御門有馬は晴明の直系にあたるわけですね。

助野嘉昭「双星の陰陽師 #2双星交差」『ジャンプSQ』2014年1月号
厳密には、安倍氏だけでなくその師匠筋である賀茂氏もそれなりに活躍はしていましたが、主筋であった勘解由小路家は断絶、のちに再興した庶家である幸徳井家も土御門との争いに破れ衰退していったとか…。
ちなみに幸徳井家ももともとは安倍氏の末裔だとか…。
まあ、そんな歴史を書いて何が言いたいのかと言うと、作中で化野家が他の陰陽師達から受けている程の崇敬に加え、その居が京都(幸徳井家は奈良)となるとおよそ安倍氏(土御門家)の庶家であるとしか考えられないと言うことです。
後は強力な力を持つ陰陽師の家系と考えると、晴明と同等の力を持つと言われる蘆屋道満の末裔という線。
ちなみに、おそらくこの作品でものちのち蘆屋道満は出て来るだろうと考えているのですが…。
化野家がその末裔である可能性はほぼ100%ないと思っています。
道満に関してはこちらで少し考察してみました。
→双星の陰陽師 考察 “陰陽師とケガレ 晴明と道満”
まあ、道満が出て来るだろうと考えているのも、化野家が安倍氏の傍系であるだろうと考えている理由の一つなのですがね。
やはり晴明と道満の二項対立が主軸かなと。。
諄いようですがその辺りも含めこちらです。笑
→双星の陰陽師 考察 “陰陽師とケガレ 晴明と道満”
更には、紅緒及び紅緒の両親がケガレ払いの際につける面。

助野嘉昭「双星の陰陽師 #4其は誰ぞ」『ジャンプSQ』2014年3月号
これ、狐面ですよね。
これこそ陰陽師ファンなら誰でも知っていることですが、安倍晴明の母親とされる”葛の葉”。
彼女の正体は狐ですよね。
” 恋しくば尋ね来て見よ 和泉なる信太の森のうらみ葛の葉 “
このことを考えると始祖に縁のある動物である狐。
一介の陰陽師がその面をつけることを許されるとは思えません。
それに面をつける理由は??
今のところほかの陰陽師達は仮面を付けていません。
仮面をつける理由として単純なものは、当たり前ですが顔を隠すことですよね。
ありがちなパターンですが、所謂”汚れ仕事”を請け負う人間は顔が割れることを避けます。
化野家の仮面もこういう意味があるのではないでしょうか。
つまり、化野家は安倍氏の所謂”裏の家系”で政治の表舞台に立つ土御門家の影として“ケガレ祓い”に特化した実行部隊だったのではないかと言うのが私の予想です。
もちろん陰陽師の仕事は”ケガレ祓い”だけではありませんからね。
その他の華々しい表の仕事ではなく、”ケガレ祓い”という”汚れ仕事”を任された一族、それが化野家。
その名残で、戦闘時は面を着けるのではないかな〜と。
とはいえ、陰陽師が政治の表舞台に立っていたのは明治以前までですから、現代となってはもっぱら”ケガレ祓い”が陰陽師の役割となったため化野家以外にも”ケガレ祓い”を行なう陰陽師が増えたと、そういうことではないかな。
そのあたりも(晴明の血筋だから)紅緒が双星に選ばれた理由の一つではないかと。
ろくろが双星に選ばれたのは別の(作中で結構におわされていますが…)理由でしょうね。
これについても今少し考えているところです。
乞うご期待!!
>双星の陰陽師 レビュー一覧<
追記*2015年11月17日
完全に読み飛ばしていましたが、神威に力が欲しいかと聞かれた際の紅緒の走馬灯(?)の中に化野家が”土の家系の流れをくむ”と書いてありましたね。
と、いうことは上でごちゃごちゃ書いていますが、この記述からだけで、安倍晴明の血を引いていることは自明でしたね。
一応そのあたりのことも含め、再考察してみる予定です。
2015年3月1日 at 1:12 PM
わざわざ面を付けるのにはやはり理由があるのでしょうね。紅緒が面に呪装をするとき「来災先観」と唱えてましたが、そのあたりは関係があるんですかねー
2015年9月2日 at 12:45 PM
更新お待ちしてます
2015年9月2日 at 2:44 PM
来災は『六大凶殺方位』の
『暗殺剣大方位』ですかね?
先観は解りませんが『先見の明』
とかだったりするのかな(汗)
『先より来(きた)る災いを観る』
という風な感じなんですかね(?_?)
2015年10月2日 at 10:53 AM
環境回復おめでとうございます
PCが壊れている間に新巻も出ているので
書く事が多く大変かもしれませんが
楽しみにしてます
2016年1月7日 at 3:51 PM
コメント残せるようになりました
2016年1月7日 at 6:23 PM
よかったです。
最近忙しくしていて、再び更新停滞しておりますが、今後ともよろしくお願い致します。
2016年3月5日 at 5:52 PM
黒い紅緒の体に太極図が
浮かんでるんですが半分足りない