大正処女御伽話 第二十話 「夕月ヲ求メテ」レビューです

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珠子と綾。犬猿の仲??

 

ユヅを探しに来た東京で、偶然にも妹の珠子と再会を果たした珠彦。

珠子は叔父の手伝いで、今朝東京に着いたそうです。

ちなみに、珠子と綾は初対面です。

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珠彦を気遣う綾を見て、ユヅ大好きな珠子としてはおもしろくない珠子。

なんとなく、綾は珠彦に惹かれているような感じでしたし、その辺を敏感に察したのかもしれませんね。

それとも、単にブラコンかな??

ユヅとの出会いを経てからの珠子はなんだか年相応の子どもらしさ、甘えたさが前面に出てきてて可愛らしいです。

とはいえ、例の毒舌は相変わらず笑

” 兄様 先程から居る この女は何方です? “

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” ずいぶん馴れ馴れしいですが? “

珠子の一言で一触即発な状況になった二人。

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どうもこの二人”混ぜるな危険”のようです笑

そんな二人を見ていると、気が抜けてしまったのか珠彦は意識を失ってしまいます。

 

 

珠彦の覚悟。まっすぐな瞳信じる

珠彦が目を覚ましたのは珠彦の叔父がいる治療所(?)でした。

ちなみに珠彦の右手を手術したのもこの叔父だそうです。

過労によって倒れた珠彦は体力を回復させるために休息をとるよう指示されますが…

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ユヅを探すため、眠ってなどいられないと珠彦は飛び起きます。

しかし、そんな珠彦を叔父は諌めます。

” こんな事 云ったら酷かもしれんが “

今の東京で、生死もわからない少女一人を探すのは非常に困難である事。

東京中の救護所・避難所・遺体収容所を回らなくてはならない事。

それは、千葉から東京までの道のりなど目じゃないほど過酷なものです。

” 手がかりをつかむどころか お前の方が参ってしまうよ “

もちろん体力面だけではなく、精神面においても非常に過酷なものになるでしょう。

それでも珠彦はユヅを信じ続けます。

” 僕はユヅにきっと会えると信じているから来たのです “

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” ユヅは生きているに…決まっています “

そのまっすぐな目に驚く叔父さん。

手術の際の珠彦の“この世の全てが信じられない”というような目を知っているだけに、その変わりようは衝撃的だったようです。

捜索開始。

翌日、ついに本格的にユヅの捜索開始です。

珠子も叔父や看護婦さんたちに断りを入れ、珠彦の手助けをします。

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珠彦と珠子は上野方面へ、綾は綾太郎の奉公先がある浅草へと分かれて探しに出ます。

この時点で作中時間はおそらく9月4日の朝、震災発生から既に丸3日が過ぎています。

街では既に布団の配給など、徐々び復旧が始まり人だかりができています。

そして、それとはまたちがう人だかりを見つけた珠彦たち。

そこは…

募る不安。「もし…ユヅが死んだら」

珠彦たちが見つけた人だかりは、珠彦同様家族や大切な人を探す人々の群れでした。

そんな中、珠彦の目に留まったのは人探しの張り紙に書かれた『逝去』の二文字。

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その後、産院や避難所を廻る珠彦たちですが、ユヅ本人はおろか手掛かりらしい手がかりも見つけることはできず…。

ユヅへの伝言を貼り、その後有楽町方面へ向かい再び捜索を続けます。

日の暮れるまで歩き回る珠彦達でしたが、それでも何一つ有益な情報を得ることはできません。

たくさんの人が人を探していて、たくさんの人が探されている。つまり逆を返せばたくさんの人が見つけることも、見つかることもできていないということです。

その最中珠彦は吉原での遺体の集団火葬について耳にしてしまいます。

思いついてはいたけれども、頭で否定していたこと。

既にユヅが骨になってどこかに埋められている…という可能性。

” もし…ユヅが死んだら “

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” 僕も死ぬ “

珠子の想い。気丈に振る舞ってはいても…。

遂に弱音を吐いてしまった珠彦。

そんな珠彦の手を強く握り、ユヅが珠彦を残して死ぬわけがないと励まします。

” いくら…私の大好きなユヅ姉様でもっ “

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” 兄様をひとりにしたら 許さないっ “

そして、感情をあらわに泣き出してしまいます。

珠子も不安でいっぱいなのです。

いくら気丈に振る舞っていても、まだ十三歳。

珠彦はそんな妹に弱音を吐いてしまった自分を反省します。

” そして “

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” ありがとう “




繋いだ手と手。兄妹の絆。

珠子の存在に勇気をもらった珠彦は翌日に捜索を延期することにして、その日は叔父のいる診療所に帰ることにします。

帰り道、再び珠彦の手を握る珠子。

” 弱虫な兄様は “

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” 珠子が引っ張ってさしあげますっ “

後ろ目に、引かれる珠彦の顔を見て満足げな表情の珠子。

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すっかり仲良しな兄妹です。

心なしか、表情がすっきりしたように思いますね。

との再会。しかし…

そうして二人で歩いていると、橋の欄干で様子のおかしい女性を見つけます。

身投げかと思い、珠彦と珠子が駆け寄り止めようとすると…

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その人物は、ユヅの友人の美鳥でした。

ちなみに、身投げしようとしていたわけではありませんでした。

美鳥に案内された先には…

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ついにユヅと再会することができましたが…

生きていてくれて…。

再会するや否や、意識のないユヅを抱き上げる珠彦。

珠子に上着で右腕をしっかりと固定してもらいます。

美鳥のことを珠子に任せ、珠彦はユヅを抱えて一足先に叔父の下へ急ぎます。

” 今 この腕の中で温かい体で 息をしている “

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” 生きていてくれてよかった “

感想などなど

ユヅについて

迷いなく、ユヅを抱え上げた珠彦はかっこよかったですね。

普段ならオロオロしてしまうであろう珠彦が、ユヅのことになるとしっかりと強い態度になるのがすごくいいです。

さて、珠彦は”生きていてくれてよかった”と言っていますが、ユヅに関してはやや不安が残る感じですね。

もちろん、生きているという時点で”よかった”ことは間違いないわけですが…。

上でも書きましたが、この時点で震災発生から丸3日経っています。

その段階で意識を失っている。しかも、頭部に怪我をしているとなると…。

この怪我が震災発生時に負ったもの(二次災害などならまた話は変わってきますが…)であるとすれば、既に3日間昏睡していることになります。

回復したとしても後遺症とかが残るかもしれませんし、そもそも相当衰弱していることは確かです。

おそらく、災害直後で病院にも医療器具など万全な備えができていないでしょうし。

とりあえず生きていたということで一安心ですが、まだまだ油断はできませんね。できればユヅは五体満足、健康で珠彦を支えてほしい。

珠彦と珠子の叔父

正直、この人物に関しては完全に予想外でした。

志磨の人間は皆人でなしだと思っていたんですが…笑

“羅刹の一族”と呼ばれているくらいですし笑笑

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珠彦との会話からも、なかなかの人当たりの良さがにじみ出る感じの良い人物でした。

そもそも珠子を手伝いに受け入れている時点でいい人ですよね〜。

何より、ユヅを探そうとする珠彦のことも本気で心配していましたし、右腕の手術後も気にかけていたようですしね。

実の親や兄弟よりもはるかに珠彦の事をちゃんと見ています。

志磨は志磨でもダメ(?)なのは、本家である珠彦の家族だけなんでしょうか。

綾が少し心配

さて、弟の綾太郎の捜索のため、珠彦たちと別れ、一人浅草へ赴く綾。

なんだか少し心配です。

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なんでと言うほどでもないのですが、この別れのシーンのなんとも言えない雰囲気が…。

そんなことを思いつつ読んでいたら、珠彦達の進む方向には太陽があるのに対し、綾の進む方向には雲が…なんてへんなこじつけまで浮かんで…。

まあ、それはともかくとして、珠彦は珠子がいたからこそユヅを探している最中も挫けずにいることができたわけですが、たった一人の綾にはそんな相手はいません。

一人では悪いことばかりが頭を反芻するものです。改めて惨状を目の当たりにして、果たして…。

珠子の変化

とりあえず、珠子の行動の逐一が可愛らしい。

ユヅに触れて、人を信じ、人に優しくすることができるようになったようです。

年頃の女の子らしい反応は、以前からありましたが、年相応な子供っぽさが見えるようになっているのがとても良いです。

珠彦との兄妹の絆が深まっているのも、読んでいてほっこりします。

珠彦の前で感情をあらわに泣きじゃくれたのも、自分の弱さを見せることができる。つまりは珠彦を信じることができるようになったことのあらわれなのでしょう。

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年相応の子どもらしさが表出した一場面でした。

慌てる珠彦の様子もいいです笑

“泣き噦る妹におどおどする頼りない兄”の図が読んでいてほっこりです笑

兄妹手をつなぐシーンも個人的にはお気に入りです。

では感想の締めくくりにそんな珠子の可愛らしいシーンをもう一つ(全部貼ってたらきりがないので…)。

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珠彦が口をつけた水筒を手渡され動揺している珠子。

年頃の女の子らしさ(?)全開の可愛らしい反応に癒されます笑



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