双星の陰陽師 #29 「溝鼠の夢」レビューです。

 





小夜の呼びかけに紅緒の守護者が…。

ケガレ堕ちとも違うし、婆娑羅とも違うこの姿。

この姿ろくろのセーマンモードに完全に対になっているようです。

まずは背に負った五行の印。

これはろくろのものとは上下反転しています。

さらに胸には九字紋…ドーマン。

ろくろの胸のセーマンに対応しています。

ちなみにドーマンをご存じない方はこちらをどうぞ

そして背中。

陰のみの太極図。

ろくろのセーマンモードの背には陽のみ太極図が刻まれています。

体に刻まれてるのは呪印でしょうか。。これもろくろのものに酷似しています。

で、ろくろの守護者は晴明ですから…道満としか考えられないのですが。。

ろくろと違うのは、紅緒自身の意識があるのかどうか不明なところです。それに関してはもともと紅緒が意識を失っている状態だったからかもしれませんが…。

ただ現状を把握し、敵味方を判別する理性は残っているようです。

氷鉋を敵だと認識した紅緒

一方で氷鉋は紅緒の姿を見て、ある確信を持ちます。

” 貴様は最初から “

” こちら側の人間だったのか! “

紅緒の脚を見て違和感を感じていた氷鉋。

彼曰く紅緒の脚は陰陽師の使う呪装ではなかったと。

…ここまでは当然なのですが、氷鉋は以下のように言っています。

” 呪力を陰陽反転させる生成のものでもない “

なんと、つまりケガレ堕ちの力ではないということです。

紅緒の脚は” もともと隠してあったものを外へ出しただけ “なのだと。

あれ、ならなんで今の紅緒の脚は普通の形なんだ??と思うでしょうが、それは今回の話の後半で判明します。

ともかく、覚醒した紅緒と氷鉋の壮絶な戦いが始まります。

さすがに氷鉋も強いですね。

悠人と戦った際のろくろよりも覚醒度合いが高い(あの時のろくろは背に五行印に文字までは浮かび上がってませんでしたから)紅緒と互角以上に渡り合っています。

繭良同様止縛法をかける紅緒。

しかしその呪は量も質も全く異なる。

それにしても呪文は唱えられる理性はあるんですね。

というかむしろ力任せなろくろよりもずっと理性的な戦い方ですね。

そして、婆娑羅にも匹敵するその力で

氷鉋を蹴り飛ばします。

一方、小夜が見極めの儀を行ったことを知った繭良。

つまり今の紅緒の姿が彼女の守護者の力だと認識したわけです。

さらに、先ほどの氷鉋の発言を聞いてしまっています。

紅緒の呪力に少なからず恐れを感じてしまっている繭良は…

これまでの紅緒との思い出を思い出しながら、不安感を必死に押し殺そうとします。

その時…紅緒の笑い声が…

涙を流しながらも無邪気(?)に笑う紅緒

そんな紅緒を見て恐怖を感じる繭良。

しかし、紅緒はなぜ泣いているのでしょうか。

現在紅緒は守護者の力に支配されている状態でしょうから、紅緒自身の心は望んでいないということなのでしょうか。

紅緒の力を認め、余力を残すことを諦めて全力を出す氷鉋。

互いに、

互いに呪装を纏ます。

 

これですね。上述した紅緒の脚の形状についての答えが判明しました。

この黒い紅緒の脚の呪装。

この形状は普段の紅緒の脚の白い呪装(?)と全く同じです。

つまり、元々のケガレの体(?)を外へ出し、それに呪装をかけたのがものが現れていたということですね。なので氷鉋の分析は正しかったわけです。

しかしこうなると、紅緒の力は婆娑羅(神威)から受け継いだものではない。つまりケガレ堕ちしたわけではないことになります。

それになぜ黒いのか。。

またいくつか謎が出てきましたね…。

 

さて、全力を出しぶつかり合った両者。

その結果は…




共に満身創痍ですが…

かろうじて勝ちを拾ったのは氷鉋。

紅緒は再び意識を失い、ドーマンモードも解け元の姿に。

とはいえ、紅緒には目立った身体的損傷は見あたりません。

 

一方、士門と聖丸。

纏神呪を使い聖丸を圧倒する士門。

しかし、纏神呪の制限時間は5分。

士門に残された時間もあまりありません。

纏神呪を使った反動で、体中に痺れが出始め、ついには限界を迎えます。

しかし、

” ラストはきっちり決めてくれよ隊長! “

脳裏に蘇るろくろの言葉。

ろくろから託された想いに応えるためにも

” 俺が 今ここでっ 今 限界を越えずにいつ越えるっっ!!!! “

最後の力を振り絞り、最後の技を繰り出す士門。

” 金翅鳥煉獄烈羽 “


” 急急如律令っ!!!! “

聖丸を捉えたと思ったその瞬間…

立ちはだかる氷鉋!!

士門の技から身を挺して聖丸を護ります。

“最後の置き土産”として小夜を聖丸へと届ける氷鉋。

小夜の姿を目に留め動揺した士門の一瞬の隙をつき

” この程度で気が削がれているようでは “

” 我が王を討つのは百年早い! “

と、雷で士門を退けます。

氷鉋、かっこよすぎるな。

もともと限界ギリギリだった士門の纏神呪はこのダメージで解けてしまいます。

士門に背を向け氷鉋は…

” 朱雀の纏神呪……見事だった だが… “

” 俺はお前の技では死なん…! “

聖丸の元へ行き、その手で己の胸を貫かせる!!

聖丸に自分の呪力を与えるため

死ぬときまで聖丸のためにって。。氷鉋、武人です。

” いつか俺たちを…この溝のような世界…から 解放する…のだ… “

” あの……日 あの日みた青い空……を お前の…手……で “

聖丸に王になるようにと…想いを託して氷鉋は逝きます。

聖丸と氷鉋の出会った日…。

氷鉋の死を受けて、聖丸の感情が、呪力が膨れ上がります。

” 貴様ら人の世に終わりをもたらす “

” 地獄の扉の開く音だ!! “

小夜を貫く非常な刃。。

聖丸の両目が開いてる!!

もともと、婆娑羅が絶対的悪というスタンスでは描かれていなかった(陰陽師としては滅ぼす対象ではあるものの)印象でしたが、ここにきてなおさら…。

どちらが主役かわからないほどですね(もちろんいい意味です。)

氷鉋の死を受けての聖丸の反応とか…。

聖丸と氷鉋の繋がりを知ってしまった以上、感情移入しないではいられなくなってしまいました。

他の作品では比較的省かれがちな敵の背景ですが、敵には敵の道理があるわけで、その辺りがしっかり描かれていることで敵も単なる一障害にとどまらず血肉のある存在になって物語に厚みが…まあいいや、長くなるので。

ともかく、こういうところ好きです、この作品。

ところで、氷鉋の望んだ青い空というのは現のことなのでしょうか。

婆娑羅は結界で禍野に閉じ込められているわけですので、”溝のような世界”というのはおそらく禍野のことだと思いますが…。
禍野からの解放を望んでいたのでしょうか。

“あの男”というのは、以前は晴明のことかなぁとも思っていましたが、このセリフからすると婆娑羅側の存在のようですね。

一位の千怒のことかな??それともその上の存在??やっぱり道満とか??

道満だとしたら前話での紅緒の呪力に反応した氷鉋の表情がやはり気になります。 

一方で、氷鉋の話に士門も戸惑ってるようでしたし、まだまだ陰陽師たちも知らない真実のようなものがあるみたいですね。

ケガレ達はもしかすると人間の勝手な都合で、「臭い物には蓋」の要領で禍野に追いやられ、閉じ込められているのかもしれませんね。

なんにせよ、個人的には人間側にもやや疑惑が生じてきました。

それにしても氷鉋、かっこよかったな〜。
死ぬまで武人でしたね。

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