ヒトヒトリフタリ 1 (ヤングジャンプコミックス)
ヒトヒトリフタリ 1 (ヤングジャンプコミックス)

作品評価:☆☆☆☆★


“人は一人でも 一人やないんやで”

“必ず守ってくれる守護霊がおるんや”

“感謝せぇよ”

霊界の最下層である幽界では、死んだ人間の魂が集まり魂を磨きながら、輪廻して再び生まれ変わるときを待っている。
幽界にある学校に通うリヨンは、授業にも出ず毎日遊んで過ごしていた。
そんなある日、校長に呼び出されたリヨンは、修行の為に現世に”守護霊”として派遣されることに…。

通常”守護霊”とは新生児から憑くものだが、実際はついていた”守護霊”がいなくなってしまっている人間が多く存在する。
それは”黒玉”というものの影響を受けて”守護霊”が”暗黒世界”に堕ちる事によるらしい。
そういった事情で前任の”守護霊”がいなくなった人間に憑く事になったリヨンが選んだのは…。
余命518日の”春日荘一郎”

そして、3日後。遂に”守護霊”として現世に降りる事に。
まさかの清蔵がカメオ出演www

まあ、SIDOOH士道では良いキャラだったのに、すぐに死んでしまいましたからね。
かっこ良かったのに…。
さて、久々に現世の厳しさを目の当たりにしつつ”春日荘一郎”のもとに辿り着いたリオン。
なんと”春日荘一郎”の正体は日本の総理大臣だった!!
酒に溺れ、うなされる春日の精神(MIND BOX)に入り込んだリオンが見たものは、夥しい量のおどろおどろしい”黒玉”だった。

その”黒玉”を片付けようとするリヨンだったが…。
春日は国民からの信任を失い、総理として辞任を余儀なくされている状況にいた。
国民からの不満の声や、引きづり卸そうとする周りの政治家達の圧力に、自分を見失っている春日。
その心の隙に、無尽蔵に増えていく”黒玉”。
周りの人の悪意に反応するようですね。
というより、その悪意に対する心の動揺で”隙”ができるのかな。
“ムッチャ 魔が差してきよる!!”

そして、遂に倒れる春日。

リヨンのおかげでなんとか一命を取り留めた春日は、死にかけた事でなんと”霊能力”が目覚めかけていた。
その力によって、リヨンの存在を認知できるようになり、更には触れた者の本心までもが分かるようになってしまった春日。
一旦様子を見る為に、春日のMIND BOXのなかにとじこもるリヨンですが。

春日はインチキ占い師に頼るなど、心に隙が大きい。
果てには、黒玉が実態を持つまでに…。

そして、ついにリヨンは春日に正体を打ち明ける事に…。
“黒玉”というのは、”現世”のさらに下層にある”暗黒世界”から”魔に囚われた魂”がヒトの心の隙をついて”現世”に上がって来たものらしいです。

しかし、リヨンの“総理ってのは 日本一の いじめられっ子なんか…”というセリフがなかなか印象的でしたね。
政治についての知識を持たず、またおそらく生前は関心すらももつ事のなかった少女リヨンと、国のトップたる総理大臣”春日荘一郎”。
正反対のような二人のコンビが、二人で一人。
ヒトは一人だけれど守護霊とで二人。ヒトヒトリフタリ。
実に、おもしろいです。
政治というなかなか固い題材ではありますが、すごく読みやすいです。
リヨンの視点ですしね。
しかし、やはりこの人はこういった霊的な物を書かせるとさすがですね〜。